
yukiyama代表の岡本です。
これを読んでいただいている雪を愛する皆様には、yukiyama(以下アプリサービスを「yukiyama」会社を「ユキヤマ」と表記)を様々な形で支えていただき、心より感謝いたします。
2018年に創業し、翌年の19-20シーズンより新たなスタートとして、開発パートナーであるヴィジョナリーバンガードと共にアプリを一新してから、6回目のシーズンを無事終えることが出来ました。
「雪山の価値を高め、新たな価値を創造します。」という社是の元、スキー場での遊び方をデジタルでより楽しく・便利にしていこうという挑戦を続ける中、
コロナ、サーバーへのサイバー攻撃、世界中で起こる紛争、国内での度重なる自然災害など、様々な苦難や社会情勢の変化の中でも、サービスを持続させて来られたことは、「雪」という究極に魅力的な資源の中で遊ぶことが大好きなスキーヤー・スノーボーダーをはじめとする「yukiyamer(雪山を愛する人)」のみなさまのお陰です。
さて、再スタートから6回目となるシーズンを終えて、今ユキヤマがどういった立ち位置であり、どんなマインドで事業を進めているのかをここで一度整理して、さらに今年の振り返りと、来年にむけての展望、という3つのテーマでお話させて頂ければと思います。
少し長くなりますが、ぜひ最後までお付き合いください。
ユキヤマの紹介
ではまず、yukiyamaとは何なのか?
ユキヤマの事業は以下の3つを基本に構成されています。
1) スキー場での遊び方をDX
まず、私たちのサービスの核となる「yukiyama」は、“スキー場リアルタイムGPSマップアプリ”です。
従来の情報の不足や使いづらさといった課題を解決し、スキー場での遊び方に新たな可能性をもたらすことを目的としています。
たとえば、yukiyamaを活用することで
- 自分の滑走ログを自動的に記録できる
- 仲間と自分の現在地をリアルタイムで把握できる
- スキー場の詳細情報をシームレスに取得できる
- 同じ趣味や属性のユーザーとつながることができる
- 利用するだけでお得な特典が得られる
- オンラインイベントを通じてさらに楽しめる
など、さまざまな活用法があります。
「スマホで遊ぶ」のではなく、「スマホを使ってスキー場での体験をより楽しく、便利にする」ことをコンセプトに、yukiyamaは時にスマホの紛失を助けるツールにもなりながら(笑)、家にこもりがちな冬でも外に出て身体を動かしたくなるきっかけを提供します。
2) スキー場の業務やサービスをDX
近年、社会の変化に伴い、スキー場の現場では、スタッフの減少に加え、業務内容の複雑化や多様化が進み、大きな負担がかかっています。
私たちは、そうした課題を「デジタル化」によって軽減し、業務をスマートにすること、そしてスキー場に関する情報を一元化・可視化し、よりシームレスに活用できる仕組みを構築していくことを目指しています。
ユキヤマが提供する「スキー場デジタルサービス」には、以下のようなソリューションが含まれます。
- スキー場アニメーションマップ
- デジタルサイネージ
- 各種予約システム(レンタル・スクール・レストラン等)
- バス運行情報の可視化システム
- 混雑状況のリアルタイム可視化システム
- yukiyama CMSと連携可能なWebサイト制作
- yukiyamaデータサイエンスサービス
とにかくスノー業界は「フィールド(スキー場)が面白くてナンボ!」来場者が不自由なくスキー場を楽しめる環境を、デジタルの力で実現していく。そして同時に、若い世代がスキー業界に魅力を感じ、一緒に未来を担いたいと思ってもらえるような、“楽しく・時代に合った”働き方ができる職場環境を、スキー場および業界パートナーの皆さまと共につくっていく、という事が私たちの使命だと感じています。
3) 企業と雪山をつなげる
yukiyamerは熱狂的です。
自分の「好き」をライフワークとし、片道5時間かかるスキー場へも、夜中に車を走らせて滑りに行く。そんな情熱を持った人々に、企業の“良いモノ”や“良い体験”を、最も自然で魅力的な形で届ける。そして、スキー業界はナショナルクライアントの支援によって潤い、ユーザーは楽しく得をする。
そんな世界を描いて、私たちは企業とのコラボレーションを日々模索しています。
たとえば、「yukiyamaで滑ると他社アプリのポイントが貯まる」とか、「滑走距離や目標達成によって賞品が当たる」とか、ユーザーは”ただ楽しむだけ”で、ブランドとの接点を持ち、ポイントや製品などの恩恵を受けられる。そんなポジティブなプロモーションを、企業ごとの特性に合わせて柔軟に設計しています。
一つ明確にお伝えしたいのは、私たちは雪山への想いがある企業としかコラボレーションをしませんし、純広告だけの単発的な露出施策も行いません。
他にもスキー場と企業をつなぐことで、社会にプラスになることへの挑戦も。
例えば、BOOKOFFとの取り組みではオンラインイベントをはじめたコンテンツ以外にも、スキー場で新しくレンタルを買い替える際に古いものをBOOKOFFで買い取り、整備したのちもう一度店頭に並ぶことでエントリーユーザーの流入を加速させたり、古くなったものは海外のスキー発展途上国に送り、安価でスキーを始めることのできる土壌づくりを行っています。
さらにはその買取金を活用して、小規模スキー場のDX支援 などの循環的な支援活動にも発展しています。

私たちユキヤマが目指すのは、熱量のあるユーザー、雪山を愛する企業、そしてスキー場が三方よしでつながる、持続可能で温かい業界と社会を、共につくっていくことです。
第7期の振り返り
では、昨シーズンはどんなことがあったのかを数字とメインのトピックで振り返ります。
ダウンロード数が70万を達成

2025年5月時点でアプリのダウンロード数は約75万。この1年間で13万強のダウンロードが増加しました。
おおよそ、全国のスキーヤー&スノーボーダーの5,6人に1人が使っているアプリにまで成長しました。
シーズンでのチェックイン数が170万を突破

1シーズンでのチェックインの数も170万を突破しました。
2024-2025シーズンインのチェックイン数は170万件を超え、昨年と比較して31万件増加。
そしてアプリ累積のチェックイン数は668万件となり、この蓄積されたビッグデータを活用したデータサイエンスサービスも本格化し、スキー場の運営に利用されています。
yukiyama導入スキー場

全国には小規模なスキー場を含め、約400のスキー場が存在。そのうち110以上のスキー場がyukiyamaアプリを導入しており、特に人気の高いスキー場への導入が進んでいます。
たとえば、全国の人気スキー場100施設のうち72スキー場(72%)がyukiyamaを導入しており、さらにランキング上位20施設に限ると、そのうち17スキー場(約85%)が導入済みです。
とはいえ、私たちのミッションはあくまで、「全国すべてのゲレンデをデジタルマップ化すること」。
日本全国約400すべてのスキー場において、デジタルマップの導入を目指して邁進するのみです。
24-25メイントピックス
24-25シーズンに私たちが行ったトピックスの中でも特にご紹介したいことは以下の3つとなります。
1) “yukiyamaデータサイエンス”の本格始動
2) アプリのサーバー障害0を達成
3) FUN AWARDの拡大
1)yukiyamaデータサイエンス
滑走後のチェックアウトの際にその日の滑走を評価する「評価システム」を昨年より導入。
現状、約75万人のユーザー属性データと、それに伴う660万回の滑走行動データを集約したビッグデータから、様々な切り口で、自スキー場をもっと知り、最適な企画・提案を実現可能にするスキー場向けデータサイエンスサービスを本格的に開始いたしました。
yukiyama の提供するサービスではデータの蓄積・解析・ビジュアライズ・サポートまで一気通貫して構築し、データサイエンスにおける専門知識は一切不要で、スキー場の運営に利用することが可能。
スキー場でのチェックインデータが増えれば増えるほど、さらに有効なデータとしてスキー場の改善に活かされることになります。
詳しくは以下のデータサイエンスに関する記事をご覧ください。
ースノーリゾートのDXに挑む、ユキヤマとユニリタのデータサイエンスの取り組み
ーデータサイエンスで拡がるDXの可能性と業界関係者からの期待
ースキー場の経営改善を促すデータの価値とは
2)アプリのサーバー障害0を達成
2024-25 シーズンにおいて、シーズン前に大規模なサーバーインフラの刷新を実施、アプリは過去最大規模のアクセス数・チェックイン数を記録したにも関わらず、遂に年間のサーバー障害0を達成いたしました。
これを達成できたのは、ユーザーの大幅な増加によるサーバーの費用負担をスキー場にお願いするのではなく、有料プレミアム会員”yukiyamaサポーター”を導入して、その負担分をサポーターの皆様に支えて頂いたお陰であります。
3)FAN AWARDの拡大
世界情勢の影響により、スキー場のリフトチケット価格は今後ますます高騰していくと予想され、それに伴い、各スキー場はその規模や特色に応じた独自の商品開発や戦略の差別化が一層求められる時代へと進んでいます。
また私たち利用者にとっても、そうしたスキー場ごとの違いや特徴を正しく理解することで、より豊かで無駄のないなスノーライフを実現することができるでしょう。
そのような未来を見据え、ユキヤマとして私たちができることは、ユーザーの選択や行動の判断材料となるような本当に有益な情報を発信することだと考え、スキー場の人気ランキング企画【yukiyama FAN AWARD】を開催することに至りました。
この「FAN AWARD」は、
① 実際のスキー場体験に基づいたアプリ内の「チェックアウト評価項目」
② 全国のユーザーの感覚や意見を反映した「アンケート評価項目」
というyukiyamaにしか取れないこの2軸を掛け合わせた独自の評価基準により、ユーザー自身がスキー場の魅力を具現化していく、というこれまでにない新しいランキングコンテンツとなり、さらに今回はより専門的な意見や切り口を加えるために、日本で唯一の索道コンサルタントである村山徹さんを特別ゲストに迎えて、過去最大の規模で開催いたしました。
さらに視聴者からのご要望を受け、より地域にフォーカスしたランキングを知りたいという声に応える形で、全国を6つのエリアに分けた人気ランキング【AFTER AWARD】も展開。
この企画では、6か月にわたり毎月1エリアずつを取り上げ、地域とスキー場の魅力を掘り下げるLIVE配信を実施。よりマクロな視点から、多様なスノーリゾートの魅力をお届けすることが出来たと感じています。
ーAFTER AWARD西日本編
ーAFTER AWARD奥美濃・北陸編
ーAFTER AWARD北信越編
ーAFTER AWARD関東編
ーAFTER AWARD東北編
ーAFTER AWARD北海道編
また、今回の実行委員のメインのメンバーでもある広報の矢田もFAN AWARDについて私見を述べていますので、ご一読いただければ幸いです。
「yukiyama FAN AWARD 2025」を終えて 〜ユーザーが選ぶ本当に良いスキー場とは〜
新シーズンにむけて
今シーズンのテーマは、「さらなる進化と深化」。
これまで築いてきた安定した稼働を土台に、アプリのアップデートを進めるとともに、API連携を活用したスキー場向けのデジタルサービスを強化・拡充し、情報の一元化スキームを完成させることが大きな目標となります。
また12月中旬以降には、新サービスの情報をまとめて発表する「NEW SEASON APP EVENT」が控えており、詳細はそのタイミングでご案内予定ですが、今シーズンにおける主なトピックスとしては、以下の5つが柱となる見込みです。
1) ウォッチ領域への挑戦
2) web居場所マップの本格展開
3) スキー場安全管理対策
4) yukiyama webの本格化
5) より使いやすいアプリへの再設計
1)ウォッチ領域への挑戦

“yukiyamaのオンライン×オフラインコミュニティをより手軽にウォッチで”をコンセプトに、今までオンラインイベントなどでコラボをしてきたHUAWEI WATCHとついに連携を開始いたします。
HUAWEI WATCHでの外部オリジナルアプリは希少な取り組みで、私たちにとっても大きな挑戦となりますが、「スマホを出さなくても居場所を確認したい!」というライトな利用を可能にすべく、連携の決断に至りました。
【新サービス開始】yukiyamaとHUAWEI WATCHによるスマートウォッチ連携がスタートします。
2)WEB居場所マップの本格展開
現状、スキー場でアプリを利用している割合は、多くてまだ20%ほどであり、残りの80%は紙のマップを利用しています。
そこで、yukiyama導入スキー場に限り、アプリを使わなくても、QRコードやURLを自分のスマホで読み込めば、”WEBで自分の居場所を見ることが出来るデジタルマップ”を新たなサービスとして提供開始することになりました。
ただし本サービスでは、仲間の居場所の確認や滑走ログの保存といった機能は搭載されておらず、「自分の居場所がわかる」のみの仕様となっています。
それでもこのサービスの登場により、「年に1回しか滑らない」というライトユーザーを含め、アプリを利用していないお客様にも、来場者全員に対して居場所をスキー場としてデジタルで提供できる環境が整うことになります。
3)スキー場安全管理対策システム
これまで、「スマートフォンを紛失した」「迷い込んでしまい助けを呼ぶしかなかった」といったトラブルが発生した際、yukiyamaアプリのグループ機能に参加していなければ、状況を把握・解決することが困難でした。
そこで今後は、すべてのチェックインユーザーの行動履歴をスキー場パトロールが把握できる「安全管理対策機能」の提供を開始いたします。
yukiyamaではこれまでも“SAFETY RIDE”を掲げ、ユーザーへの注意喚起やイベント開催、知識の啓蒙などを行ってきましたが、今後はスキー場向けにも具体的な安全管理ツールを提供することで、より実効的にユーザーの安全を支援してまいります。
4)yukiyama webの本格化
当サイトのyukiyama Webは、2年前に「スキー場向けに提供しているデータサイエンスを、データを提供してくれるユーザーにも還元したい」という想いから、データに基づくスキー場情報サイトとしてスタートしました。
今後はこのWebサイトを、アプリとしっかりと連携させ、データとサービスのシームレスな統合を実現するため、今シーズンより長期的なプランで本格的に強化・展開してまいります。
5)より使いやすいアプリへの再設計
リリースから6年、yukiyamaアプリは多くの機能追加やアップデートを重ね、便利で賑やかなプラットフォームへと成長してきました。
しかし今シーズンは、これまで蓄積された情報や機能を一度整理し、よりシンプルで直感的に使いやすいUIへと、段階的にアップデートしてまいります。
新しいデザインやUIの詳細については、12月中旬以降に開催予定の「NEW SEASON APP EVENT」内のLIVE配信にて発表予定です。どうぞご期待ください。
最後に
長文となりましたが、yukiyamaは皆さまのご支援のおかげで、年々サービスの幅を広げながら、私たちが目指す世界に向けて一歩一歩着実に前進しています。
シーズン序盤ではアプリ機能の拡充を中心に展開してまいりましたが、その後は安定した運用を重視し、多くの課題をクリアすることができました。
そして、サービス開始から7年目となる今シーズン。
私たちはアプリを起点としながらも、スキー場の運営全体をデジタルで支援する「多角的な展開」を推進し、アプリ単体にとどまらない“体験の拡張”を実現していきます。
創業当初から変わらず私たちが目指してきたのは、
- スキー場が、低コストで自社アプリのようにyukiyamaを利用できること
- ユーザーが、日本中のスキー場をこのアプリ1つで楽しめること
そしてこのビジョンを具現化するために、
- スキー場には、持続可能な価格設定で導入いただけるよう努め、そこから頂く利用料をもとに、私たちが責任をもって開発・保守を行っていくこと
- ユーザーには、基本無料で十分に楽しめる機能を提供し、さらに深く楽しみたい方や私たちの理念に共感くださる方には「サポーター」としてご協力いただくこと
- 広告や収益優先の設計に流されることなく、本当に「ユーザーが楽しい」「スキー場が面白くなる」と思える機能や企業連携のみを追求していくこと
この3点を軸に、これからは事業としての黒字化も目指しつつ、スキー業界のIT化を牽引する存在となるべく、バランスのとれた成長を続けてまいります。
これまでご一緒いただいたスキー場関係者の皆さま、パートナー企業の皆さま、そして全てのユーザーの皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。
本メッセージをもちまして、第7期のご報告とさせていただきます。
今後も「雪山の価値を高め、新たな価値を創造する」という理念のもと、より多くの方に喜んでいただけるサービスを提供してまいりますので、引き続き、変わらぬご支援・ご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

