Writer: Keiji Okamoto
Photographer: Jin Tanaka
歳を重ね、スキー・スノーボードの経験を重ねるほど、人はジャンルや遊び方に固執して「スキーとは」「スノーボードとは」という特定の固定観念から離れられなくなってしまう事が多々ある。
実際そのスタイルやこだわりがカッコいいライディングや、仲間たちとの居心地の良いコミュニティを産み出す事も確かなのだが、その半面「こうでなければいけない」と自ら幅を狭めてしまう事があり、本来楽しい事が1番の魅力であるスキー・スノーボードが全く楽しくなくなってしまうというジレンマに陥る事も少なくない。
そこでユキヤマが唯一現地で自社で主催する”オンサイト”と”オンライン”を掛け合わせた”ハイブリッド”の今回のイベントは特に何も決まってする事がなく、「スキーもスノーボードも」「初心者もプロも」「子供も大人も」「男性も女性も」「フリースタイルもカービングも」「本格派もコスプレ勢も」何の制限もない、とにかくジャンルレスに”雪山が好きな人”を集めただけのイベントであり、そこには「ただ雪上で心から楽しむだけ」という原点に戻る、ユキヤマの明確な意思があった。
それでは、そのイベントの様子を写真とともに振り返ってみよう。
その日は強風のためにゴンドラの運行が停止し、予定していた山頂エリアへのアクセスが不可能となり、イベントを開始することすら怪しい状況となったが、どういう形であれ皆で集まって、この状況下で「滑る事にこだわらず最大限出来る楽しみ方を模索する」ということがイベントの意義であるという運営メンバーの結論から、急遽中間駅エリアで開催する事に変更した。山頂駅から下せるだけの荷物を下して、イメージしていた形とは全く異なる、手作り感満載、バタバタの状態で参加者を迎えいれることになった。
音響設備が全て揃っているかどうかもわからないなか、必死に準備を進め、なんとか開会式を形にした。イベントの発起人の一人であるジャイロマンの熱い掛け声のもと、イベントはスタート。
インフルエンサーも一般の参加者も同じ側に立って「今出来る中で楽しもう!」という1つのマインドで集った事が印象的であり、予定が急遽変更されたにも関わらず、同じ気持ちで団結した雪山仲間たちの温かな雰囲気には、深く好感を覚えた。
さて、イベントが始まったと同時に、様々なイベントが一斉に動き出すことになる。アプリにチェックインすると飛んでくる「チェックインおみくじ」や、yukiyamaアプリのログ機能を利用した「滑走距離選手権」、プッシュ通知で飛んでくる指令をクリアして賞品をGETする「yukiyamaミッション」、そしてYOUTUBER達の日本一を決める動画対決「YOUTUBEコンテスト by NEWSNOW MEDIA」。
当然、多種多様な参加者は各々の感じるままに散っていき、気がつくと誰がどこにいるか全く分からない状況に。
ただ、yukiyamaのグループに入ることがイベント参加の必須条件となっているので、「誰がどこにいるのか?」「どこで何をやっているのか?」を常にアプリで気軽に確認する事でき、離れていてもオンラインで繋がっている安心感は大きかった。
そして10時からは雪山ずきのメインイベントの1つでもある雪合戦大会が開催。
インフルエンサーをキャプテンとした8チームのトーナメントで白熱した戦いが繰り広げられた。
雪合戦はその名の通り、スキー・スノーボードに乗ることなく、ただ雪を投げるだけの小学生でも知っている遊び。上手い下手関係なく、童心に帰って騒ぐ参加者たちの表情が印象的だった。
自分も審判で参加したが、もう雪玉なのか飛沫かも分からない雪が飛び交っていた。一応決められたルールのもと、細かい事は気にせず、真剣に笑顔ではしゃぐ参加者たちを観て、これこそが”雪遊び”の原点であり、人が自然の中で遊ぶことのポジティブな可能性や希望を感じる。
優勝は昨年に引き続き2連覇を達成したジャイロマンチーム。チョコバニラボール新井を相棒に迎えて、多くの子供たちを引き連れ死闘を制した。彼らには敬意を払いながらも、あれだけ雪合戦に大声で真剣に取り組む大人もそうはいない・・・
それにしても2連覇はお見事。
優勝の写真も2人の笑顔がとても輝いて見えた。笑
その後は東京からわざわざこのイベントに遊びに来てくれた、ダンスミュージック界のレジェンドである”KO KIMURA”さんがスノーボードの合間にDJで中間駅付近をロック。
また、グルメインフルエンサーのhwooさんも一緒に来場し、各界の”雪山ずき”が集まり、ここでしか生れないコミュニティを創造した部分も面白さの1つだろう。
そして同時に行われていたのは”オフトレシヨウゼ”コラボのパークワンポイントレッスン。”オフトレシヨウゼ”とは、マットジャンプや芝JIB、室内などのオフシーズン滑走を楽しむための新しいコミュニティで、各施設の垣根を超えて、夏も皆でスキー・スノーボードをライフスタイルとして楽しむということをコンセプトとしている。
チョコバニラボール新井や千葉マナト、オリンピック選手、芳家里奈の姉・裕里など、プロライダーの豪華なコーチ陣がパークにトライしてみたい参加者たちに、まるでオフトレ施設や室内スキー場のような密接な距離感でレッスンを行っていた。
そこで面白いものを目にした。
ラントリーやグラトリの世界だけでなく、もはやスノーボードインフルエンサーのアイコンと言っても過言ではない「いぐっちゃん」が参加者の中に混じってレッスンを受けていた。
スイッチのフロントサイドノーズスライドやスピンインに果敢に挑戦。最初はハードにやられていたのだが、気がつけばさらっとトリックを習得し、スキルの高さ以上にジャンルの違うスノーボードに積極的に挑戦する姿に人並外れた情熱を感じた。
とにかく「好き」という気持ちは強い。
“好きこそ物の上手なれ”という言葉は本当によく言ったもので、その昔スノーボード界のレジェンドであるニコラス=ミューラーが「スノ―ボードを一番楽しんでるやつが、一番スノーボードが上手い奴だよ」と言っていたことを、僕は一度たりとも忘れたことは無い。
そんな「本物の雪山ずき」たちが集まっていたことは、このレッスンを見ていると一目瞭然だった。
最後には全員で開催場所の栂池高原に飾られるPOPを撮影する「POPを作ろう」が開催され、全ての参加者がクローズ前のほぼ貸切り状態のバーンに集まり、一斉にカメラに向かって滑り出した。
その光景はとても不思議なものでした。様々なスタイルの雪山ずきが所狭しと滑りまくり、カメラの前に来た参加者たちは例外なく笑顔で横を通り過ぎていった。
このイベントでは、スノーボードを始めたばかりの初心者から数十年続けてきた本当にコアなライダーまで、あの場にいた全ての人が「雪の上で遊ぶ」ことだけに純粋にフォーカス。
初心者は上級者からスノーボードのカッコよさや新たな楽しさを学び、逆にコアな上級者は初心者から始めたばかりの感動や純粋な気持ちを互いに共有し合い、技術に関係なく楽しむことができるウインタースポーツの本質的な楽しさが詰まっていた。
バイトして貯めたお金で買った初めてのギア。
買う予定もないのにショップに行って見るだけのウインドウショッピング。
少しでも安いツアーを探してたあのくたびれたパンフレット。
重い荷物を持ってバスに乗り込むあのワクワク感。
初めて繋がったターンの嬉しさ。
飛ぶ場所でもないウェーブで飛んでやられたあのアドレナリン。
帰ってから見るインスタントカメラの写真たち。
初めて見たプロのカッコよさへの憧れ。
細分化されたこだわりのカッコよさにはない、僕たちが忘れかけていた雪山の本来の楽しさをこの1日を通して思い出した気がする。
奇しくも小雪で開催が危ぶまれ、当日も強風でキャンセルにまで追い込まれそうになった、この危機的状況の中で。
そして同時に、実際に会うことでしか感じられない体験の共有やリアルな繋がりに、ユキヤマならではのオンラインでの現代のテクノロジーやアプローチを掛け合わせることで新たな雪山での遊びの可能性を感じることが出来た。
イベントを楽しんだ僕たちや参加者は帰宅した後、yukiyamaのグループで繋がったその日の雪山仲間たちとオンラインで繋がり、この先も更なる楽しさと喜びを作っていくことができそうな、雪山の明るい未来がここにはあった。
雪山ずきあつめてみた!2024の全写真は以下のリンクからご確認いただけます。当日参加された方も、そうでない方も、是非ご覧ください!当日のファンな雰囲気が伝わってくるはずです。
雪山ずきあつめてみた!YouTubeコンテストについて
最後に、雪山好きあつめてみた2024最終コンテンツ、スノー系YouTuberのグランプリを決めるムービーコンテストを開催します!日本のTOP ofスノー系YouTuberは誰なのか!渾身の作品をとくとご覧下さい。
動画から優勝一組をユーザー投票によって決定し、優勝YouTuberには優勝賞金10万円と日本スキー場開発㈱より「つがいけマウンテンリゾートを撮影のために自由に使える権利」が与えられます!
また、投票してくれた雪山好きの皆様にも抽選でNEW SNOW MEDIAオリジナルTシャツを10名様にプレゼント!一人一票投票できるので、是非全ての動画をチェックして投票してください!
動画は4月7日18時に一斉に公開いたします!乞うご期待ください。
※当日のイベントに参加していなくても投票できます。
※イベントページは近日中に公開いたします。