八千穂高原スキー場 浜口支配人が語る「スキー場を通じた社会貢献」

八千穂高原スキー場 浜口支配人が語る「スキー場を通じた社会貢献」

yukiyama

2025.03.04

「スキー場を通じて社会に恩返しがしたい」そう語る八千穂高原スキー場の浜口支配人。骨髄異形成症候群を乗り越えた経験から、スキーを通じた社会貢献活動にも力を入れています。八千穂高原スキー場が40周年を迎える今シーズン、『雪の良さと人の良さ』をモットーに掲げる支配人の思いをyukiyama編集部が取材しました。支配人の仕事にも注目です。

はじめに:八千穂高原スキー場 浜口支配人が語る

――約1年半前に重い病を経験されたとお聞きしました。

「はい。50歳を迎えた頃、会社の健康診断で骨髄異形成症候群であることが判明し、余命2年の宣告を受けました。助かる方法は骨髄移植のみということで骨髄バンクに登録したところ、奇跡的にドナーが見つかり移植手術を受けることができました。退院して1年以上経った今も移植の後遺症や投薬の副作用は続いていますが、経過は良好で仕事に復帰できています。この経験から、骨髄バンクの啓発活動にも何か協力できることがあればと思っています」

※参考

骨髄バンク:https://www.jmdp.or.jp/


日本赤十字社:https://www.bs.jrc.or.jp/bmdc/special/m6_02_01_bankbank.html


ACジャパン:https://www.youtube.com/watch?v=cRh5C9031Ew

――長年スキー業界で活躍されていますね。

「大のスポーツ好きで、高校卒業後は冬はスキー場、夏はサーフィンやパラグライダーなど各地で住み込みの生活を続けてきました。スキー業界では、リフト係からキャリアをスタートし、スノーボードスクール校長やパトロールなども経験。また、スノーボードPROショップの店員や西日本スノーボード協会で教育部長を務めるなどウィンター業界に精通しています。選手としても、テクニカル選手権西日本大会で3度の優勝経験があります。結婚・出産を機に山梨県に移住し、30歳からはスキー場運営の仕事に携わってきました。シャトレーゼリゾート八ヶ岳、小海リエックスの支配人・取締役を経て、2018年から八千穂高原スキー場の支配人を務めています。」

八千穂高原スキー場支配人の浜口昌幸さん

支配人の思いと八千穂高原スキー場のいいところ

――まずは民営化から6年目を迎えた八千穂高原スキー場の方針についてお聞かせください。

「『雪の良さと人の良さ』をモットーに、お客様もスタッフも、お取引業者様も、スキー場に関わる全ての方が笑顔になれるスキー場づくりを心がけています。特に『即日実行』の精神を大切にしており、お客様からいただいたアイデアや要望は、できる限り翌日には改善できるよう努めています。」

――運営で注力している取り組みはありますか?

「1日でも早くオープンし、1日でも長く営業できるよう人工降雪機を充実させています。また、少し古くて狭いセンターハウスですが、毎年少しずつ改善を重ねているなど、常にお客様への思いと利便性向上を行っています。」

――ゲレンデ造りにおいて大切にしていることは?

「私自身、カービングもパウダーも、モーグルもパークも、地形遊びも様々な滑走用具も、全てを楽しみたいという欲張りな性格なんです(笑)。そのため、ゲレンデの構成や配置、人工降雪の撒き方など、どんなゲレンデだったらもっと楽しくなるかを寝てる間も考えてしまうほどです。」

――八千穂高原スキー場のアピールポイントはありますか?

「コンパクトながら、8つの個性的なコースで構成され、各コースの特徴を活かしながら様々なアトラクションを所狭しと常設しています。変化のある自然地形とアイテムが融合した『8パーク』やエア台付きの本格コブラインが刻まれた『バンプス8』天然雪が降った日はコース脇の林間のパウダーが楽しめる『プチツリーラン』など、お客様の望む様々なニーズにお答えできると思います。」

パークの様子
コブ斜面
ツリーラン

――スキー業界全体で価格高騰が続いていますが八千穂高原はどうでしょうか?

「八千穂高原スキー場に求められているものを理解した価格設定を、今後も頑張って継続していきたいと考えています。更には新たな取り組みやサービス、ゲレンデ造りについても、とことんお客様目線で出し惜しみせずに進化を続けていきます。」

八千穂高原スキー場が目指していく方向性

――今後の展望をお聞かせください。

「今年で創立40周年を迎えました。決して大きなスキー場ではありませんが、役場で経営されていた時代の良さを最大限継承しつつ、『熱い思い』は日本一のスキー場になれるよう、5年先・10年先に向けて突き進んでいきたいと思います。」

――最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

「『雪を大切に』『他者を大切に』を心がけていただけると嬉しいです。雪のある環境はもはや当たり前ではなく、とても貴重です。また、混雑時でも割り込まない、危険な追い越しをしない、自分より上手でない方を見下さないなど、当たり前のことをさりげなくできる、そしてビギナーに優しく、真にカッコ良く、こよなく雪を愛するお客様に是非なっていただければと思います。そんなみなさまを元気いっぱいのスタッフが、とびっきりの笑顔でお待ちしております。」

最後に支配人のお仕事の一部をご紹介

夏の仕事

※リフト乗り場、降り場の修繕工事
※建物内のカーペット張替え
※動く歩道の分解修理
※重機を使ってゲレンデ整備

※道路や駐車場の除雪
※大会の司会進行
※時にはゲレンデパトロール
※夜のパーク制作

八千穂高原スキー場支配人プロフィール

浜口昌幸:1973年2月生まれ、52歳。大阪市出身。大のスポーツ好きで学生の頃は野球部に所属、高校卒業後は冬はスキー場、夏はサーフィンやパラグライダーなど各地で住み込みの生活を続けてきた。スノーボードの選手時代には西日本テクニカル選手権で3度の優勝やスノーボードクロスでは3位入賞などの成績を収める一方、スノーボードSHOPの店長や日本スノーボード協会の裏方として教育部長を務めるなどの経歴をもつ。結婚して子供が生まれたタイミングで山梨県に移住し、その後20年間スキー場運営の仕事に就く。30歳からスキー場勤務となって21年、シャトレーゼリゾート八ヶ岳→小海リエックスの支配人・取締役を経て令和元年から八千穂高原スキー場の支配人に就任。「雪の良さと人の良さ」をモットーに、誰もが楽しめるスキー場づくりを目指す。