
4月に入り、そろそろシーズンオフの方も多いかと思います。次のシーズンに快適に道具を使うためには、片付ける前のメンテナンスが欠かせません。適切なメンテナンスを行うことで、ウェアや板の寿命を延ばし、パフォーマンスを維持することができます。
この記事では、オフシーズンに向けて、板とウエアのメンテナンス方法と、自宅で簡単にウエアの撥水加工が可能になった、新登場の『FPセルフメンテナンスキット』についてご紹介します!
スノーボード・スキーのメンテナンス
雪上の花粉や黄砂などの影響で、スノーボード・スキーの滑走面は汚れてきます。特に春シーズンは汚れがつきやすく、何もせずそのまま片付けてしまうと滑走面に汚れが吸着し、来シーズンのメンテナンスが大変です。長期間片付けてしまう前に、まずは板のソールのクリーニングからはじめましょう!
1. 準備
まずはバインディングを外しましょう(スキーはそのままで大丈夫です)。バインディングを付けたまま長期間保管すると、ボードに負担がかかる可能性があります。

2. リムーバーで汚れを落とす
準備するもの
- リムーバー(汚れ落とし)
- キッチンペーパーまたは使い古しのタオル
- ブラシ(あれば)
手順
- 基本的な汚れ落とし
まずはキッチンペーパーや使い古しのタオルで汚れと水分をしっかり拭き取ります。 - リムーバーを使用する
ソールにリムーバーをつけ、キッチンペーパーなどで拭くだけでOKです。 - ブラシを使う
ブラシをお持ちであれば、リムーバーを使った後に細かい汚れを取ることができます。ブロンズブラシなどで全体をブラッシングし、最後にキッチンペーパーで汚れを拭き取ります。

3. ホットワックスでのメンテナンス
ソールの汚れを落とした後は、ホットワックスを塗っていきます。ワックスを塗ることで滑走面を保護します。
必要なもの
- クリーニングワックス
- ベースワックス
- ワクシングペーパー
- アイロン
- スクレイパー
- ブラシ(ナイロンブラシ、ボアブラシなど)
手順
- クリーニングワックスを塗る
- アイロンを使ってワックスを溶かす(強く押さえず、アイロンの重さを利用して軽く動かす)
- ワクシングペーパーとアイロンを同時に動かしながらワックスを均等に塗る
- ワックスを馴染ませソールを整える
- 板の表面が人肌くらいの温度になったら、スクレイパーでワックスを削る
- ボアブラシ→ナイロンブラシの順で余分なワックスを掻き出す
- ベースワックスを塗る
- ベースワックスをクリーニングワックスと同様にアイロンを使って塗布する
- このベースワックスはオフシーズン中、ソールを保護する役割がある
※来シーズンまでこのベースワックスは剥がしません

その他
エッジのサビ止め対策:長期保管前には、エッジのサビ止めもできればやっておきたいです。市販のエッジ専用サビ落とし&サビ止めを使用しましょう。
プロのチューンナップ:専門のチューンナップショップに依頼するのも一つの選択肢です。チューンナップショップでは、エッジの研磨やソールの傷のリペアなども対応してくれます。
スノーボード・スキーウエアのメンテナンス
ウエアは耐水素材で作られているものがほとんどで、適切なメンテナンスを行わないと撥水性や防風性、耐久性が損なわれてしまいます。特にシーズン終了後のメンテナンスは、次のシーズンまでウェアの機能と状態を良好に保つために重要です。
1. 洗濯前の確認と準備
ウエアの洗濯前に、以下の点に注意しましょう。
ポケットの確認: リフト券や小銭、ティッシュなどが残っていることがよくあります。すべてのポケットを確認し、中身を完全に取り出してください。
ファスナーとベルクロを閉める: すべてのファスナーを閉め、ベルクロ(マジックテープ)もきちんと合わせておきましょう。開いたままだとファスナーが洗濯中に破損したり、ベルクロが他の部分に引っかかってウェアを傷める原因になります。

2. スキー・スノーボードウエアの洗濯方法
ウエアの洗濯は、通常の衣類の洗濯とは異なるので注意が必要です。
ウエア用の洗剤を選ぶ: 一般的な洗濯洗剤には、ウエアの撥水加工を損なう界面活性剤が多く含まれています。スノーボード・スキーウエア専用の中性洗剤、またはアウトドアウェア用の洗剤を使用しましょう。
洗濯機での洗い方: 洗濯機を使用する場合は、必ず「手洗いモード」などの最も優しい設定を選びましょう。水温は30℃以下の冷たい水または微温水を使用し、洗剤は推奨量より少なめに入れるのがポイントです。
柔軟剤の使用はNG: 柔軟剤には撥水性を低下させる成分が含まれてることがあります。また、通気性も損なわれる可能性があるため、使用しない方がいいです。

3. 乾燥方法と注意点
ウエアの乾燥は直射日光を避け、時間をかけて乾かすことが重要です。
脱水の注意点: 洗濯機で脱水する場合は、短時間(1〜2分程度)で弱めの設定にしましょう。強い脱水はウェアの防水膜を破損させたり、形状を崩す原因になります。
乾燥機について: 基本的に乾燥機の使用は避けるましょう。
ゆっくり乾燥させる: 風通しの良い日陰に、形を整えてハンガーにかけて干すのが理想的です。スノーボードウェアは素材が厚く、完全に乾くまでに1〜2日かかることがあります。特に縫い目や重なり部分は乾きにくいので、完全に乾くまで十分な時間をかけましょう。湿ったままで保管すると、カビやニオイの原因になります。

ここまでがウエアの基本的なメンテナンス方法になるのですが、洗濯だけで復活させるのは難しい、ウエアの撥水性を復活させる方法も実は存在するんです!
4. 撥水加工を復活させる方法
洗濯を繰り返すと、ウエアの撥水性が徐々に低下します。これは撥水加工が物理的に摩耗したりするためです。この撥水加工を復活させることができれば、次のシーズンも濡れずに快適に過ごせるでしょう。
撥水加工専門店に依頼する
最も効果的なのは、専門店でのファイバープロテクション処理です。UV加工や専用機器での熱処理も含まれ、メーカー新品時の80〜90%程度の撥水性が復活すると言われています。期間は時期とお店によりますが、1ヶ月程度の期間と施工費用がかかります。
自宅で撥水加工を行う
最近では、自宅で手軽に撥水加工を施せる「FPセルフメンテナンスキット」も登場しています。日常的なメンテナンスとして考えるなら十分に効果を発揮します。また、シーズン中の時間がない時にも自分で撥水加工を行うことができます。
FPセルフメンテナンスキットとは
ファイバープロテクション(FP)は、スノーボード・スキーウエアなどのアウトドアウエアに施す特殊加工で、撥水性の向上や汚れの付着を防ぐ効果があります。これまでは専門店に出して施工してもらう必要がありましたが、新しく登場した「FPセルフメンテナンスキット」を使えば、自宅の洗濯機でもこの加工を施すことができるようになりました!
FPセルフメンテナンスキットの特徴
- 自宅の洗濯機で簡単に施工できる
- 上下ウエア1セットを5回分処理できる
- シーズン中の急なメンテナンスにも対応可能
特にUV対策や専用設備での熱処理の効果以外は、撥水加工や汚れ落としの面では十分な効果が得られます。
FPセルフメンテナンスキットの使用方法
FPセルフメンテナンスキットには3種類の溶剤が同梱されています。
- 1剤:洗浄用洗剤
- 2剤:撥水加工用溶剤
- 3剤:リンス(洗濯槽クリーナー)

FPセルフメンテナンスキット:https://slabwebstore.com/products/fp-self-maintenance-kit
使用手順
はじめに:準備
- ウェアのポケットを空にし、すべてのファスナーを閉める
- 洗濯ネット(大型)を用意する(キットには含まれていません)

1. 洗浄工程
- 気になる汚れ(首元や袖口など)があればに1剤を直接、少量塗布
- 洗濯ネットにウェアを入れる
- 洗濯機に1剤を規定量(メモリ60まで)入れる
- 水量20Lで5〜7分洗い、すすぎ1回、脱水なしの設定で洗濯

2. 撥水加工工程
- 2剤を規定量(計量カップ100を2杯)入れる
- 水量20Lで5〜7分洗い、すすぎなし、脱水5分の設定で洗濯
- 脱水後、日陰で1〜2日かけて乾燥させる

3. 熱処理
- ウェアが完全に乾いたら、ドライヤーで熱を加える
- 全体に均一に熱を当て、素材に合わせて適切な温度で処理する (ウェアのタグを確認し、対応温度を守ること)
- 一箇所に長時間当て続けないよう注意
※この工程を行うことで、ウェアの撥水性が復活し、次のシーズンまで良い状態で保管することができます。

4. 洗濯槽クリーニング
- 撥水加工で使用した溶剤が洗濯槽に残り、他の衣類に影響しないよう、3剤で洗濯槽をクリーニング
- 3剤を規定量入れ、水量20Lで洗いを行う

FPメンテナンスキットの詳しい使い方はYouTubeをご覧ください:https://www.youtube.com/watch?v=IYsBNX4B3b8
まとめ
来シーズンも快適に使うためには、片付ける前のメンテナンスが重要ということをお伝えさせていただきました。とくに専門業者でないと難しかった撥水加工も自宅でできるようになり、より手軽に本格的なメンテナンスができるようになりました。滑り終わってそのまま置いておくのではなく、大切なウェアやボードを長持ちさせて、次のシーズンも快適なスノーボードライフを楽しみましょう!
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