ウィンタースポーツ愛好家には欠かせないオフトレ(オフシーズンのトレーニング)を様々な視点で紐解くシリーズがスタート!第一回目は『学生×オフトレ』という切り口で主に大阪キングスを利用している関西の現役大学生たちにフォーカスしました。今回、話をしてくれたのは同志社大学のスノーボードサークル『Shuffle』の現幹部メンバー。それぞれのオフトレへの関わり方やモチベーションなど、学生のオフトレとのリアルな付き合い方が見えました。
Shuffleとは:2012年4月に発足した同志社大学の本格スノーボード、フリースタイルスキー、スケートボードサークルです。同志社大学の学生を中心に、関西圏の大学生が多数所属しています。
今回、話をしてくれた学生たち
同志社大学と京都大学に在学中の3名に話を伺いました。
名前:コウダイ
同志社大学商学部3回生。学校の授業は週3日。バイトはコンビニの夜勤。スノーボード歴は約2年。昨シーズンようやくターンができるようになったらしいです。
名前:ユウミ
同志社大学生命医科学部3回生。学校の授業は週5日。バイトはカフェ店員。スノーボード歴は約12年。昨シーズンは栂池高原スキー場近辺に篭もっていたそうです。
名前:マツドン
京都大学文学部3回生。スノーボード歴は約2年。学校の授業は週3日。バイトは焼肉屋と高速道路の整備。昨シーズンは湯沢に籠もって念願のバックフリップをメイクしたそうです。
それぞれの昨シーズンの過ごし方
オフトレの話に入る前に、まずは昨シーズンの過ごし方を聞いてみました。3名とも長期休みを使ってスキー場で篭もりをしていたようで、篭もり先はサークルの先輩からの紹介で見つけているとのこと。
コウダイ「ぼくは今年ターンがようやくできるようになったレベル感ですが、人生で初めて篭もり生活を体験しました。もうめちゃめちゃ楽しくて本当に充実していました」
ユウミ「わたしは白馬エリアの栂池に篭っていました。キッカーでやりたかった技をメイクできなかったので心残りがあります。トータルで30日くらいは滑りました」
マツドン「成長を感じられました。湯沢に篭ってスノーボードをがっつりして、シーズン最後にバックフリップをメイクできたのが一番嬉しかったですね」
───オフトレの成果を雪山で出せた?
マツドン「バックフリップをメイクできたのはキングスのおかげです。後輩たちに煽られてキングスで初めてバックフリップにトライしました。なので、雪山でも立つことを目標にしていましたね」
ユウミ「去年のオフはキングスにあまり行くことができてなくて、だからこそメイクできなかったんじゃないかと思ってます。オフの練習は大事ですね」
今どき学生のオフトレ事情
学生の本分は学業にありますが、バイトや飲み会など忙しい学生生活。どのようにバランスを取りながらオフトレと両立しているのでしょうか。
コウダイ「あまり大きい声では言えないですが、キングスにはやっぱり友達と一緒に行きたいので授業を休んで行ったりしています。最終的に単位が取れていればいいと思っていますが、効率よく単位を取ってオフトレをするというのは難しいですね。バイトは夜勤なので、バイトが入ってる日は行けないです」
ユウミ「カフェのバイトは基本土日に入れているので、キングスは平日に行くようにしています。ただ最近は学校が忙しくて、この前キングスに行った時はパソコンを持っていって、キングスの休憩時間にレポートを書いて、終わったら飛ぶみたいな感じでした」
マツドン「ぼくのバイトは高速道路で集中型の夜勤なので、そこでがっつり稼いでその合間にキングスに行くみたいな感じです。一回あたりのバイトの時間をめっちゃ長くして稼いで、休みの日にがっつり練習するルーティンです」
───そもそも雪のない時に練習する文化があるというのは、初めから知ってた?
ユウミ「Shuffleに入ってから知りました。先輩がグループラインで練習行こうぜって呼びかけてるのを見たのがキッカケですね」
オフトレ施設との付き合い方
スノーボードサークルの運営の難しさの一つに、オフシーズンの活動の難しさがあります。そういった意味で、キングスの存在はサークルの運営にいい影響を与えているのでしょうか。
コウダイ「近々、Shuffleで貸し切りイベントを計画しています。そこでバーベキューを行う予定なので、滑ったことがない人にも無料で見学に来てもらって興味を持ってもらいたいと思っています。また、KUFという関西の大学生が集まるイベントも毎年あって、そこで他大のサークルと仲良くなれました」
───オフトレ以外にもサークルとしてオフシーズンにやっていることはある?
ユウミ「オフトレの他に、夏合宿などもやっていて部員が仲良くなれるイベントを月1回くらいのペースで開催しています。まずは仲を深めて、先輩ともいい関係を築きながら冬に入っていくようなイメージですね」
マツドン「夏に遊んだ先輩から冬にスノーボードの誘いをもらって、スノーボードにハマっていった経緯があるのでオフシーズンの集まりは大事だと思っています。気軽にみんなでスノーボードに行ける関係性を構築したいです」
冬のためにオフトレを続けるモチベーション
半年以上先の冬を見据えてオフトレするということは、学生たちにとってモチベーションの維持も大変な事柄の一つではないでしょうか。どのようにやる気を持続させているか聞いてみました。
コウダイ「まだスノーボード2年目ですが、今年からサークル会長になったので後輩に格好悪い姿は見せられません。その責任感があるので上手くなるしかないと思っています」
マツドン「ぼくは雪山では基本的に攻めたいんですけど大きい怪我をしたくないので、キングスでちゃんと練習しておきたいというのがモチベーションです」
ユウミ「わたしはライバルの存在が大きいです。キングスのイベントで知り合った他サークルの女の子ですが、彼女もモチベーションが高くてオフトレを頑張っているので負けられません」
───「この技にチャレンジしてみよう」みたいな自分への課題はどうやって見つけているの?
コウダイ「インスタのリールの動画を見て、カッコいい技があったらそれをさらに調べてイメトレしてからキングスに向かいます」
ユウミ「自分は先輩がやってた技を自分もやろうと思ってやっています」
Instagramの短尺の動画からお気に入りのトリックを見つけて、それを練習するのが主流のようです。
学生がオフトレを続ける難しさ
オフトレを続けることはスノーボードをすることと同じでお金も時間もかかること。ぶっちゃけ何が一番大変なのでしょうか。
コウダイ「1回あたりのキングスでそこそこお金はかかるので、月券を買ってない時は月2~3回くらいが限界です」
ユウミ「大阪キングスはレディースデイが月曜日にあるので、その日に行こうと思っています。ただ行こうと思っていても、授業があって行けなかったり、車に乗せてくれる人を見つけないといけないので頻繁に行くのが難しかったりします」
マツドン「自分も京都の北の方に住んでるので、オフトレに行くための足を見つけるのが一番難しいですね」
ちなみにオフトレで使っているギアについても聞いてみましたが、3人のうち2人は毎回レンタルを利用しています。オフトレ用の板を準備するのが難しいそうですが、レンタルだと持ち物が身軽になるので学校から直接行きやすいメリットもあるようです。
来年の冬に向けて
最後に、このオフシーズンにどんな風に練習をして来シーズンを迎えたいかを聞いてみました。
コウダイ「今年は月券を買って、もっと練習して、シーズン入る前に自分が納得できる技の形を作って、いいムービーが残せるように頑張りたいと思います」
ユウミ「ただ、メイクするだけじゃなくてスタイルを出せるとこまで練習して冬を迎えたいです」
マツドン「自分のスタイル見つけて、シーズン中に雪上で磨きをかけたいと思っています」
それぞれ怪我なく、充実したオフシーズンを送ってもらいたいですね!
この記事のまとめ
- 平日にキングスに行くためにバイトは土日か短期集中でやって時間を作る
- 月券がなければ月に2~3回、あればできるだけ行く
- サークルのオフの活動場所の一つとして大阪キングスは役立っている
- オフトレを続ける難しさは「お金」と「キングスまでの足」である
- 学生は意外とレンタルを利用している
- それぞれ取り組む課題や目標を見つけている
参考:大阪キングスという施設について
大阪キングスとは、雪のないオフシーズン(4月~12月)でも練習する事ができるスキー・スノーボード練習施設です。アプローチに独自開発の「サマースノー」を使用し、安全性の高い斜度付きのエアマットに着地します。