安全に滑るための道具選びとヘルメットとの付き合い方丨Anonライダー 藤田一茂

安全に滑るための道具選びとヘルメットとの付き合い方丨Anonライダー 藤田一茂

yukiyama

2024.01.09

ライダーとしてスロープスタイルやビッグエアを経て、バックカントリーに幅を広げスノーサーフで存在感を示す藤田一茂さん。滑り手としての活動だけにとどまらず、白馬五竜スキー場ではバンクを主体とした雪のウネリがテーマのスノーパーク『GORYU WAVES』をプロデュースし、バンクドスラロームの大会運営やガイドツアーとの提携など、場づくりとコミュニティの運営にも力を入れています。滑り手とプロデューサーとしての視点を併せ持つ藤田一茂さんに「スノーボードを安全に楽しむ」をテーマとして、そのための道具選びや意識していることを話していただきました。

安全への意識の変化と道具選び

今と昔で変わってきた考え方とスタイルの変化

昔は攻めることがかっこいいという価値観だったので、あまり安全への意識はありませんでした。ヤバいことをするのがかっこいいと思っていました。そこから歳を重ね、怪我をしたり、自分だけじゃなくて周りの人が怪我をしたりするのを見て、安全を意識するようになりました。もちろんヤバいことをするのはかっこいいのですが、無茶をすることがベストではないと思う自分もいて、そういう考えが出てきた事自体がすごく変わったと思います。もう一つ付け加えるとすれば、滑りのスタイルの変化もあると思います。

スノーボード中に身につけるものと道具選び

昔と比べると道具選びの軸が変わりました。自分のスタイルの変化もありますが、バックカントリーに行くようになって、そのフィールドに合った服やギアを身につけるようになり、場面に合わせて最適な道具を選ぶことが重要だと感じています。スノーボードなのでファッション的な側面で身につけるものを考えがちですが、フィールドに最適なものは濡れてもすぐに乾いたり、運動がしやすかったりするので、パフォーマンスの向上につながります。

ヘルメットをつける選択とその中での楽しみ方

ヘルメットに対しての意識の変化

カナダやアラスカではスノーモービルで山に入る時はヘルメットの装着が必ず必要です。5年ほどそういった場所で滑って撮影したりしている間に、そのままスノーモービルの安全の延長でライディング中もヘルメットを被ろうかと思いました。ライディングしているところは大きな岩がたくさん出ていたりしますし、雪の厚みもまばらなのでヘルメットを付けたほうがいいのは一目瞭然です。また、友人の大きな怪我が立て続けに起きたりしたのもあって、滑走中の安全について考え直したというのもあります。

日本と欧米のヘルメットへの認識の違い

欧米のスキー場はフィールド的に固くて岩がたくさん出ていて、明らかに危なそうなのが目に見えているのもあってヘルメット着用率が高いのだと思います。ぼくたちの世代はジャンプの大会ですら、ヘルメットの着用が必須ではなかったりしたのもあったので、そもそもヘルメットへの意識というか認識が薄かったように思います。今の子供たちはヘルメットを被ることを普通だと感じているはずですし、パークでもヘルメット着用の人が増えているように感じます。なのでヘルメットの重要性の認識はだんだん浸透していくのではないかと思います。

ヘルメットの選び方やこだわり

Anonにサポートをしてもらっているので、WaveCel搭載の最新のヘルメットを使っています。当たり前ですが自分の頭の形にフィットして、軽いものを選ぶべきです。合わないものを身につけるとストレスになりますよね。そこはブーツ選びと似たような感じだと思っていて、フィッティング、色、形など自分に合うものを探すのがいいと思います。ヘルメットの被り方もいろいろあるとは思いますが、ぼくはジャストサイズで被って1番調子がいい状態がベストだと思っています。そうするとヘルメットの重さや煩わしさを感じにくいですし、耳当てを付ければフィット感がより増して頭と一体になります。あとは、一般的にはヘルメットの色は黒を選びがちだと思うので、あえてちょっと明るい色を選んだりしています。ゴーグルのバンドとの組み合わせを考えたりするのもいいですね。

ゴーグルのバンドで大きく印象が変わる

怪我なく安全に滑るためには

ゲレンデを安全に滑るために意識すべきこと

バックカントリーのようなフィールドでは自然の状態に気を配りますが、ゲレンデでは滑っている人に気を配りますね。なるべく周りを見て、自分本位な滑りにならないように意識するのが大事だと思います。滑るだけで精一杯の人は周りを見る余裕がなかったりするので、上手い人ほど注意を払うべきです。

藤田一茂流のメンタルコントロール

「ここで派手なことやれば盛り上がるな」という場面でも平常心で滑ることを心がけたりしています。もちろんできる自信はありますが、この場を盛り上げる一瞬の快楽より長い目で見て無理せず怪我のリスクを減らす選択はありだと思います。スタイルが少し変わって派手なことを求めなくなったのも要因としてありますね。そういった意味ではスノーサーフとかスノーボードの中でも違う楽しみ方がたくさんあるので、板を変えたりして色々なところに滑りに行ってみるのもいいと思います。平常心を保つという点ではヘルメットもその助けになっていて、心理的に安心感を得られます。

遊び場を提供する側が意識する安全

パークプロデューサーとしての視点

お客様が安全に楽しんでいただくという点では、コース設計をかなり考えています。白馬五竜スキー場の『GORYU WAVES』は雪の地形を活かし、波のうねりに見立てたセクションがいくつもあるコースです。そのうねりを作る際に、滑り手が自然と安全な方向にライン取りをするような造成を意識しています。また、ジャンプと言えるほど大きなセクションではないですが飛びすぎないような設計にして、誰でも楽しめる形にしています。ターンができる人なら誰でも楽しめるようなコースを作りたいと思っているので、上級者と初中級者が同じコース内に混在したとしても事故が起きにくいような地形を造って、滑り手をうまく誘導できるように工夫しています。

GORYU WAVES

最後に

藤田一茂さんがプロデュースするGORYU WAVESがある白馬五竜スキー場にはBurton Store Hakuba Goryuがあり、そこでAnonのヘルメットを実際に触ることができます。スキー場に来場の際はぜひお立ち寄りください。

https://www.hakubaescal.com/winter/buy/burton/

yukiyamaが行うSAFETY RIDEの活動

SAFETY RIDE STORY


スノースポーツを安全に楽しめる環境づくりを目指す”SAFETY RIDEプロジェクト”の一環として、雪山を安全に楽しむための魅力を発信する動画「SAFETY RIDE STORY」が公開中。今回インタビューした世界で活躍するスノーボーダー藤田一茂さんが出演しています。

https://www.youtube.com/watch?v=cxnBDIrjwDQ


SAFETY RIDE WEEK


1月第1週目を毎年「雪山安全強化週間」に制定し、スキー・スノーボードをSAFETY RIDEのマインドで、楽しく安全に楽しむためのイベント【SAFETY RIDE WEEK supported by Anon & yukiyama保険】が開催中。イベント期間中に安全強化ミッションに成功すると、SAFETY RIDEを応援してくれているAnonからゴーグルとヘルメットのセットを抽選でプレゼント。今シーズンもみんなで雪山を安全に楽もう!

https://yukiyama-web.com/event/safetyrideweek2024/